「型の名前と動きを、楽しく覚えられるスタンプがあったらいいな」。そんな思いつきから作り始めた「飛び出す!AI侍と町娘のメーマイ15型」がリリースされました。

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古式ムエタイのメーマイ15型と、挨拶の「ワイ」を合わせた全16個。今回はCodexを中心に、実演動画を参照しながら、AI侍とDJ町娘が演武するポップアップスタンプを作りました。

ただ、動画を渡したら一発で完成した、という話ではありません。動いたからこそ気づく違和感があり、そこから何度も見比べて直していく制作でした。

Codexを、制作の作業場にする

今回の制作では、Codexとの会話で型ごとの計画を立て、動画やキャラクターの参照画像、生成したセル画、アニメーションをまとめて扱いました。画像の作画はImageGen、切り出しや透過処理、文字合成、APNGへの組み立てはPythonなどのスクリプトが担当。Codexには、その間をつなぐ作業と修正を進めてもらいました。

「Codexが動画をそのままキャラクターに変換する専用機能」というより、画像生成とコードによる加工を、会話しながら組み合わせた制作です。

流れを短くまとめると、こんな順番です。

  1. 実演動画から、型ごとの区間と姿勢を確認する。
  2. 動きの途中を静止画に分け、コマ割りの参照にする。
  3. キャラクターの見本と動作の見本を分けて、セル画を作る。
  4. セルを切り出し、表示時間を設定してAPNGにする。
  5. 元動画と並べ、通常再生・低速・コマ送りで比較して直す。

動画を渡すと、動きを見比べる材料まで作れる

文章だけで「この型をやって」と伝えると、こちらが思う動きとのズレが出ます。そこで実演動画を渡し、姿勢を順番に取り出して、その並びを見ながらキャラクターの動きを作りました。

構え、腕を出す途中、踏み込み、技を出した姿勢、戻り。そうした違いが並んで見えると、「ここは手だけではなく足も動いている」「ここで体を横に向けている」と具体的に指摘できます。

一方で、参照画像があっても、左右や関節の角度まで自動で一致するわけではありません。見えない部分や小さな動きには推定も入ります。だから、生成した画像だけでなく、比較して確認できるページも一緒に作ったことが役に立ちました。

制作中に使った動作比較ページを開く

このページでは15型を通常再生・0.5倍速・コマ送りで確認でき、各型の欄を開くと、キャラクターのコマと元動画から取り出した姿勢を見比べられます。照合メモも制作時の記録として残しています。

制作中の比較画面。第4〜6型を並べ、通常再生・0.5倍速・コマ送りの操作と、セル画・元動画の姿勢一覧を表示している
実際に使った動作確認画面。上で動きを再生し、下でキャラクターと元動画の姿勢を見比べました。画像をタップすると拡大できます。スクリーンショット内の「未承認」は撮影当時の制作ステータスで、現在はLINE審査承認済み・販売中です。
第5型の比較部分を切り出した画像。左にキャラクターの20コマ、右に実演動画から取り出した20姿勢が並ぶ
第5型の比較部分。左がキャラクターのコマ、右が元動画の姿勢です。単に動かすだけでなく、腕や足の位置、沈み込み、戻りの違いを確認する材料にしました。

20コマまで。増やせば解決、とはいかない

最初は、もっとコマを増やして細かく動かしたいと思っていました。でも、LINEの仕様に合わせる必要があります。

2026年9月10日に確認した公式ガイドラインでは、通常のアニメーションスタンプも、今回のポップアップスタンプも1個あたり5〜20フレーム。さらに、ポップアップスタンプの再生時間は最大3秒です。通常のアニメーションスタンプの最大4秒とは区別が必要です。ポップアップの公式仕様アニメーションの公式仕様

つまり、動画の全ての動きを細かく足していくことはできません。どの途中姿勢を残すか、どこを短くするか。構えから技を出して戻るまでを、限られたコマと時間に収める調整が必要でした。

今回、第2〜15型は20コマ、第1型とワイは12コマです。全てを同じ枚数にそろえることより、採用した動きとタイミングを保つことを優先しました。

滑らかさより難しかった、古式ムエタイの「止め」

もう一つ悩んだのが、手を出した瞬間の「止め」です。

ずっと均等な速さで動かすと、技を出した姿勢が、そのまま通り過ぎてしまう。古式ムエタイの型として見せたいのに、ただ手足を動かしているように見えることがありました。

そこで「手を出したところで、止めがはっきり見えるように」と修正を重ねました。制作データでは、止めたいコマの表示時間を長くしています。たとえば第1型では、4コマ目と8コマ目をそれぞれ650ミリ秒表示し、動きの区切りを作りました。

同じ絵を何枚も複製して数を増やすのではなく、1コマを見せる時間で間を作る。ただし止めを長くすると、3秒の中でほかの動きに使える時間が減ります。「滑らかさ」と「技を見せる間」の両立が、思っていた以上に難しいところでした。

「足も出ているよ」「顔が違うよ」から、もう一度

見返すうちに、修正したい点も次々と見つかりました。

第1型では、手を出すときに足も踏み出しているのに、その連動が足りませんでした。手だけでなく、足を浮かせて出し、着地する流れを見直しました。第15型では途中の横向きが抜けていて、顔だけでなく肩・腰・足先の向きも修正しています。

作画とは別の問題もありました。第8型と第11型で、画面の下から別の頭が見える瞬間があったのです。これはセル画を切り出す境界に、次の段の絵が入り込んでいたため。切り出し範囲を直して解消しました。

そして、DJ町娘の顔や目が変わって見える問題。動作が合っていても、別人に見えたら違います。ワイのスタンプや過去の採用画像を見返し、顔と衣装の基準を戻して比較しました。動きの参照は動画、キャラクターの参照は承認済みの画像。この二つを分けて扱うことも大切でした。

AIに頼むことと、人が見ること

今回面白かったのは、スタンプ画像だけでなく、確認用のページやコマ送りの仕組みまで、Codexとの作業の中で用意できたことです。指摘した違いを直し、また動かして見る。その往復を同じ作業場で続けられました。

もちろん、短くデフォルメしたスタンプが、実演を完全に再現できたわけではありません。LINEの審査承認は、型の技術的な正確性の認定とは別です。練習の教材として正確性を保証するものではなく、型の名前や動きに親しむ作品として楽しんでもらえたらと思っています。

動画を渡して終わりではなく、作って、比べて、気づいて、直す。その試行錯誤も含めて、今回のCodexベースのスタンプ制作でした。

全16種はスタンプ紹介記事で動かして見られます。気になった方は、LINE STOREの販売ページものぞいてみてください。

※冒頭のアイキャッチは、制作工程をイメージしたAI生成イラストです。実際の制作画面や型の動作そのものを示す図ではありません。